日本では当たり前のホテルサービスが、アメリカでは「ないのが普通」なことも多々あります。
昨年1年間で100泊以上の滞在を経験した私が、出張・旅行で失敗しないために知っておきたい6つの基本ポイントをまとめました。
チップ、デポジット、アメニティ、洗濯、朝食のリアルな事情を、実体験をもとにわかりやすく解説。これから渡米する方の不安や疑問を解消します!
チップは必要?

アメリカのホテルでは「チップが必要」とよく言われますが、実は私自身、チップを実際に払ったことはあまり多くありません。
払ったことがあるのは主に以下の2つの場面です:
- 長期滞在時のハウスキーピング
- バレットパーキング(係員が車を出し入れしてくれるサービス)
特にアメリカのホテルでは、短期滞在だと清掃が入らないことも多く、渡すタイミングがないこともあります。また、高級ホテルでなければベルボーイやルームサービスがないことも多いため、チップを渡す機会自体が少ないというのが実感です。
特に私自身今までチップがないことで悪い対応を受けたことはありませんが、「チップは文化」とよく言われるアメリカ。少しでも誰かに手厚く対応してもらったときには、感謝の気持ちとして少額でも渡せるとスマートです。
デポジット(保証金)ってなに?

アメリカのホテルに泊まるとき、チェックイン時に「デポジット(保証金)」が必要になります。これはトラブル防止のための一時的な預かり金のようなもので、万が一の破損やルール違反に備えてホテル側が請求するものです。
▶ なぜデポジットが必要なの?
たとえば、
- 客室や設備を壊してしまった
- タオルやアメニティを持ち帰った
- 禁煙ルームで喫煙してしまった など
こうした「万が一」の場合に備えて、ホテルは事前に一定額をクレジットカードから「一時的に確保(ホールド)」します。日本ではあまりなじみのない仕組みですが、アメリカではこれが一般的です。
▶ 支払い済みでもカード提示が必要
たとえオンラインで宿泊費の支払いを済ませても、チェックイン時には必ずクレジットカードを提示が求められます。「え、また払うの?」と驚くかもしれませんが、実際には請求されません。カードには一時的に金額が「保留(Pending)」として表示されますが、宿泊に問題がなければ、チェックアウト後に自動的に解除されます。
アメリカではホテルに泊まる際、宿泊費とは別に「保証金」としてクレジットカードが必要になるのが普通です。請求はされませんが、クレジットカードを持っていないとチェックインできない場合もあるので注意しましょう。
アメニティはどこまで用意されてる?

アメリカのホテルに泊まって驚くことの一つが、「日本では当たり前のアメニティが置いていない」という点です。
▶ なぜ用意されていないの?
アメリカでは「必要なものは自分で持ってくる」文化があり、日本のように「何でも揃っている」ことを期待すると、現地で不便を感じることがあります。特にビジネスホテルやモーテルでは、アメニティが最低限のところも多いです。
▶ 日本と違って置いていないことが多いもの
特に以下のアイテムは自分で用意することを強くおすすめします:
- スリッパ
- 歯ブラシ・歯磨き粉
- パジャマ
- 飲料水
高級ホテルではまれにアメニティが用意があるときもありますが、基本はないと思って、出張前・旅行前は必ず忘れないように持参することをおすすめします。
洗濯はどうする?ランドリー事情

多くの長期滞在向けホテルや一部の中級ホテルでは、宿泊者用のランドリールームが用意されていることがあります。ただし、いくつか注意点があります。
▶ 洗濯機・乾燥機は基本有料
- 洗濯機と乾燥機はそれぞれ数ドルずつ必要になることが多いです(例:洗濯機 $2.00、乾燥機 $1.50など)。
- クレジットカードが使える機械もありますが、コイン(現金)のみ対応のホテルも少なくありません。
そのため、硬貨を多めに準備しておくと安心です。ホテルのフロントで両替をお願いできることもあります。
▶ 洗剤は持参が基本
- ホテルに洗剤が備え付けられていることはまれで、自分で用意する必要があることがほとんどです。
- アメリカのドラッグストアやスーパーで、洗剤は手軽に購入できます。
<参考> アメリカの洗濯機の使い方・洗剤の選び方はこちらの記事をご覧ください。
朝食サービスの実情

アメリカのホテルでは、無料で朝食がついているホテルと、ついていないホテルがあります。特にビジネスホテルや中価格帯のホテルでは、無料の朝食があることが多いですが、その内容はどこも似たようなものです。
▶ ビジネスホテルの定番メニュー
朝食は軽めのものが中心で、日本のような焼き魚やご飯といったしっかりした食事は基本的に出てきません。よく見かけるメニューは以下の通りです:
- ベーグル、トースト、マフィン
- シリアル、オートミール
- 自分で焼くワッフル
- ヨーグルト
- フルーツ(バナナやリンゴなど)
- コーヒー、ジュース
出張時は自分で朝食を準備するのも大変なので、朝食付きのホテルを選ぶと便利だと思います。
送迎サービス・駐車場事情

▶ 空港からの送迎サービスはある?
アメリカでは公共交通機関が日本ほど発達していない地域も多く、車がないと移動が難しいというのが実情です。そのため、レンタカーを利用しない場合は、送迎バス(シャトル)があるホテルを選ぶのがおすすめです。
特に空港周辺のホテルでは、次のような特徴があります:
- 無料シャトルバスを提供しているホテルが多い
- 事前予約不要のところもあれば、電話でのリクエストが必要なホテルもある
- シャトルの運行間隔が長く、タイミング次第で待ち時間が発生することも
出張や旅行で時間を有効に使いたい方は、事前にホテルの公式サイトを確認して、シャトルの有無や利用方法をチェックしておくと安心です。
▶ 駐車場料金は?
レンタカーを利用する方にとって、ホテルの駐車場事情も重要なポイントです。アメリカのホテルでは駐車場が有料であることが多く、1泊30ドル前後かかることも珍しくありません。
【駐車時の注意点】
- チェックイン時に「車があります」と伝えると、専用のパーキングパス(紙)を渡される
- そのパスは車のダッシュボードに掲示しておく必要があります
- 宿泊費とは別に請求されるので、事前に駐車場料金も確認しておくのが賢明です
特に観光地周辺では、駐車場代が高額になる傾向があります。そのため、ホテルを選ぶ際には宿泊費+駐車場代も含めて、トータルコストで比較検討することをおすすめします。
アメリカのホテルの満足度は?正直な感想

正直アメリカのホテルの内装や清潔感には、日本とのギャップを感じることが多いです。
- 洗面台やバスルームに古さを感じる
- カーペットのにおいが気になる
- 清掃が行き届いていないと感じる部屋もある
…というのが、何度か出張や旅行で滞在してきた正直な感想です。
しかも、そのクオリティに対して宿泊費が高いのも悩ましい点です。最近では円安の影響もあり、ビジネスホテルでも1泊150ドル(約2〜3万円)ほど、高級ホテルでは1泊500〜800ドル(約7〜12万円)することも珍しくありません。
またホテルのラウンジも、日本であればすべて無料である場合が多いですが、アメリカのホテルではお酒は有料などとラウンジにアクセスできても無料で楽しむことができる幅が日本より少ないなと感じます。
「せっかくなら高級ホテルでリフレッシュしたい!」と思っても、アメリカのホテルでは価格と満足度が比例しないケースが多いです。そのため、アメリカでホテルに多くの金額をかけるよりは、ホテル代を節約して、観光や食事などにお金を回すことをおすすめします。
一方、ホカンス(ホテルでのんびり過ごすこと)を楽しみたい場合は、日本のホテルのほうがサービスも行き届いており、満足度が高いと感じています。
アメリカのホテルの満足度は残念ながら期待できません。ホテルでの滞在を楽しみたい方は日本の高級ホテルに泊まるのがおすすめです。
まとめ
アメリカのホテル利用は、日本とは違う点が多く、「自分で確認して準備すること」がとても大切です。チップの習慣やアメニティの有無、朝食の内容など、事前に知っておくことで滞在中のストレスをぐっと減らすことができます。
これからアメリカへ出張や旅行で訪れる方が、少しでも快適にホテルを利用できるように、この記事が参考になれば幸いです。
コメント